視覚に障害のある子どもや大人のニーズ

「遊び場をインクルーシブに」と考える時、その対象として多くの方が思い浮かべるのは車いすユーザーなど肢体不自由の子どもたちかもしれません。

しかし公園は、視覚に障害を持つ子どもにとっても様々なバリアがある場所です。
見えない・見えにくい子どもの割合は他の障害種と比べて少ないこともあり、当事者のニーズがなかなか理解・反映されにくい面があります。(特別支援学校/学級の幼稚部/小学部/中学部在籍者数は、肢体不自由の子ども21,189人に対し視覚障害の子どもは2,799人。「令和3年度文科省特別支援教育資料」より)

昨年秋、NHKのEテレ番組「バリバラ」の制作部から「視覚障害のある親とインクルーシブ公園」についてご相談を受けました。私たちが知る当事者の声や海外の実践、日本の現状、例として砧公園の工夫や課題などをお伝えするやりとりの中で、自分たちも視覚に障害のある方(子どもも大人も!)のニーズをもっと学び考える必要があると実感しました。(昨年12月に放送されたバリバラ「見えないパパ・ママの子育て~あるある編」の概要はこちら

そこで年明けから川崎市視覚障害者情報文化センターをお訪ねしたり、バリバラにも出演された視覚障害のある保護者の方々の育児サークル「かるがもの会」さんにご意見を伺ったり(利用者調査「視覚障害のある親たちと公園」参照)、他にも視覚に障害のある子どもの特別支援学校、児童発達支援・放課後等デイサービス、親の会の方々にご協力を願うなどして、より詳しいニーズを知ろうとしているところです。

多様な皆さんとの対話には、リアルな困りごとや切実な思い、「なるほど!」な工夫など発見やアイデアの種がたくさん。
今後もいろいろな方と一緒に、あらゆる子どもや大人にとって楽しく居心地の良い公園のあり方を考えていきたいです。