オーストラリアのインクルーシブな遊び場づくりのガイド”Everyone Can Play”について

 今年2月、ニューサウスウェールズ州が、インクルーシブな遊び場づくりのためのガイド”Everyone Can Play”を発表しました。

 州政府は「遊びはみんなのためのもの。遊び場だってそうならなくちゃ!」として、2017年にこのガイドの開発に着手。翌年、ガイドの草稿をサイトで公開してパブリックコメントを募ったほか、州内11か所でワークショップを開くなどして積極的にフィードバックを収集しました。地方自治体、設計士、ランドスケープアーキテクト、障害者とその支援者、NPOや地域住民らの協働により完成した実践的なツールです。

 特徴は、「Can I get there? /行ける?」「Can I play? /遊べる?」「Can I stay? /ゆっくりできる?」の3つの観点をもとに、遊び場の評価や設計に役立つ具体的項目のチェックリストを備えている点。

 ガイドの完成を伝える州政府の動画には、当サイトのレポートでもご紹介したシドニーのUD公園 Livvi’s Placeで遊ぶ子どもたちも登場し、義足を装用する娘が妹と一緒に遊ぶ姿を見て涙を浮かべたお母さんのエピソードも紹介されています。

 なお同州はガイドを作っただけではなく、これに基づいて遊び場を新設または改修する事業に今後5年間で約16億円の補助金を用意! 各自治体はそのコンペに応募しようと、さっそく地元の遊び場の見直しや工夫を凝らした設計に挑み始めています。 UDの遊び場を広めるための戦略的プロジェクト、日本でも始まってほしいですね!