遊び場の安全に関する国際シンポジウム

 7月に東京で開催された、「遊び場の安全に関する国際シンポジウム」(主催:社団法人日本公園施設業協会)へ勉強に行ってきました。

 近年あらゆる分野で「安全・安心」への関心が高まっていますが、このシンポジウムの趣旨は、「遊び場からあらゆるリスクを取り除いて、超“安全”な公園をつくろう」というものではありません。
 子どもにとって遊びの中のリスクは、挑戦や学び、楽しみのための重要な価値であると捉え、(子どもが予測できない危険=ハザードは除去した上で、)「ドキドキ・ワクワクできる楽しい遊び場づくり」を促進するために、国内外の専門家の方たちの議論が展開されました。

 パネリストの一人で、イギリスやヨーロッパにおける遊具や遊び場の権威であるRobin Sutcliffe氏は講演の中で、「障害のある子どもにも、遊びにおけるリスクが必要」と述べられました。
 彼らが障害を理由に、常に「保護」される立場に置かれ、本来子どもの発達に重要な遊びのリスクからも遠ざけられている状況は間違いだ、という訳です。「障害のある子どもも、他の子どもと同様に、リスクへの挑戦という自由を得て、それぞれの力を付け、みんなの仲間に入る」ことの重要性を説かれました。

 このお話は、シンポジウム全体の中のほんの一部で取り上げられただけでしたが、今後日本でもこうした理解が広まり、「あらゆる子どもが」ドキドキ・ワクワクできる楽しい遊び場が増えることへの期待を抱くこともでき、収穫の多い学びの機会となりました。