先月、東京で開催されたこども環境学会主催のセミナー「こどもの遊び場・遊具の安全性を考える」に参加しました。
公園遊具による子どもの事故の実態が明らかになるに連れ、安全性への関心が高まってきた日本。2002年に初めて(!)策定された国の指針「都市公園における遊具の安全確保に関する指針」は、現在国土交通省による改訂作業が進行中です。
ちなみに「安全性の確保」とは、子どもが回避や予測ができず事故につながる危険(ハザード)を取り除くことであって、子どもから挑戦や冒険の機会(リスク)を奪おうとするものではありません。「子どもの遊び場に多少の危険は付き物」と言っても、ジャングルジムの下でコンクリート基礎の角がむき出しになっていたり、ブランコや滑り台のボルトが脱落していてもよい、というわけではないですよね。
セミナー講演者の一人、荻須隆雄氏(玉川大学教授)は遊び場の安全や遊具事故がご専門で、国の指針改定にも関わっておられる方です。今回、お話の中で、遊び場遊具による事故防止に有効な手段の1つとして、以下のようなポイントを挙げられました。
遊び場の安全管理を行政や管理者のみに任せてしまうのではなく、日々の利用者である保護者や地域住民も高い意識を持ち、危険箇所の発見や情報提供などに主体的に関われる仕組みづくり 。
子どもたちが楽しみにしていた夏休みがスタートしました。今度、皆さんが公園を利用される際、安全性(あるいはユニバーサルデザイン!)の観点から、遊び場をご覧になってみてはいかがでしょうか。見慣れた公園にも何か新しい発見があるかもしれません。