滑り台について

多様な子どもたちのお母さん、肢体障害者、視覚障害者、盲・聾学校の先生たちの声

<いろいろな子どもの立場から一言!>

★自分に合った上り方を選べるよう、複数のルートがほしい。
○踏み段(踏面)が狭くて足を踏み外しやすい階段やはしごだと、小さな子どもは自分で上れない。

○弱視のため足元に注意を払って慎重に歩く子どもをはじめ、障害などの理由でゆっくり移動する子どももいる。上り道が一つしかない一方通行の滑り台だと渋滞を招き、後ろの子どもが前の子どもを急かしたり押しのけたりすることにつながり、お互いに楽しめない。

○車いすのまま上まで上れるようスロープがほしい。

○視覚障害児・者の場合、長く緩やかなスロープで上ると自分がどのくらいの高さまで上がったかが感覚としてつかみにくい。階段などでリズムよく上れた方がよい。一方、下りはスロープの方が安心。

★安全にいろいろな滑り方を楽しみたい。
○肢体障害児の中には、安定した姿勢で滑ることが難しい子どももいる。滑り台の側面の壁が高めかトンネル状に覆われたものだと安心して滑ることができる。あるいは柵がなく、寝転んだ状態や大勢で滑れるよう、幅の広い斜面もよい(斜度が急でないもの)。

○子どもは滑り台を下から上りたがるので、特にトンネル状やらせん状の滑り台では上から滑ってくる子どもと衝突する危険性が高い。トンネルの側面を透明にするなど、滑り台の上と下にいる子どもたちが、お互いの存在に気付きやすい工夫を。

○滑り台の着地部分がコンクリートのように固くなっていたり、くぼんで水溜りができていたりすると安心して遊べない。地面はある程度、衝撃が吸収できて安全な舗装材を。

○土手のような広い斜面を利用したコンクリートの滑り台の場合、下が砂場だとけがをしにくい反面、砂に足を取られて転んだり、コンクリートの斜面に砂が付くことでそこを駆け上がったり下りたりする子どもが滑って転倒するなど別の危なさがある。

<親の立場から一言!>

○親が子どもと一緒に滑り台に上ったり、子どもを抱えて滑ったりできるよう、階段やデッキ、滑降面の幅など、各スペースにゆとりがほしい。
 
○階段の上や滑り台のスタート地点でくぐるようになっているバーに頭をぶつけてしまう。子ども(特に視覚に障害がある場合)も気付かずぶつかるケースがある。バーの位置や形を工夫してぶつかりにくくするか、ぶつかってもけがをしにくい素材だと嬉しい。

○滑り台を大人が滑ると想像以上に勢いがつき、しりもちをついてしまう。滑り終わりの水平部分が少し長めにとってあると、大人にも子どもにも安心。

<ある女性の一言>

○「子どもの頃、滑り台はね、おんぶして上まで連れてってくれる人がいる時だけ滑れた。」
(20代・女性 車いすユーザー)

(それぞれのご意見を下さった皆様、ありがとうございます)

イラスト:スロープが付いた幅広の滑り台を手をつないで滑る笑顔の女の子二人。スロープと滑り台の間には色とりどりの花
イラスト:「車いすで上まで行けるすべり台」あやかちゃん