肢体不自由の子どもたちと公園

肢体不自由児のお母さんたちの声

<子どもが遊べない公園>
○車いすの子どもは公園の遊具ではほとんど遊べない。まだ小さかった時は親が抱いてブランコに乗ることもあったが、少し大きくなるとそれも難しい。いつしか公園に行くこと自体をあきらめてしまった。

○兄弟がいるので、子どもたちみんなを連れて公園にはよく行った。けれど障害のある子どもが遊べる遊具はなく、行く先々で「ああ、ここにも○○ちゃんが遊べるものがないね。ごめんね」と言いながら、その子を抱いて(または車いすを押して)公園の周りを散歩するしかない。他の兄弟が遊んでいる間、いつも一人を我慢させなければならなかった。子どもはみんなと同じように遊びたいのに。

○子どもを近所の公園で遊ばせたかったが、入口にある車止めの柵や階段などがバリアとなり、「公園が受け入れてくれなかった」。
そこで自宅の一室に屋内用の遊具をたくさん置いたプレイルームをつくって、子どもはいつもそこで遊ばせていた。(近所の子どもたちもよく遊びに来ていた。)けれど冷暖房完備で必要な物にすぐ手が届くよう整えられた環境と、限られた人間関係の中での遊びだけでは、子どもの力が伸びにくいことに気付いた。
子どもは戸外で、見知らぬ子どもたちと関わり、時に自分の思い通りにならない状況を経験することも必要。そこから様々な新しい力を身につけることができる。公園で遊んでこそ広げられる世界がたくさんあるはず。

<こんな公園がほしい!>
★車いすでもアクセスしやすい公園を。(入口・通路・段差の解消・トイレなど)

★車いすのまま遊べる遊具を。またいろいろな障害の子どもたちがいるので、体を動かすだけでなく、視覚・聴覚・触覚を使って楽しめる工夫も。

★たとえ他の子どもたちとまったく同じ遊び方ができなくても、「自分も兄弟や友だちと同じ空間を共有している!」「遊びの場に参加している!」と実感できるよう設計された遊具を。

★体に障害のある子どもたちは自然に触れ合う機会が少ないので、車いすのまま自然を満喫できると嬉しい。また小高い丘などに車いすで登れるとよい。少し高い所から周りを見渡す経験をさせたい。

★幼い時から障害児と健常児がしぜんに関わり合える環境を。そうすれば一緒にいることが当たり前の社会になる。

(それぞれのご意見を下さった皆様、ありがとうございます)

イラスト:車いすに乗った女の子二人が、シーソーで楽しそうに遊んでいる
イラスト:「車いすで乗れるシーソー」 あすかちゃん