No.03<鈴鹿典子さんの思い>

コロナウイルスが流行していなくても感染症に特に注意の必要なこどもさんはいるため、感染症に配慮されたゴロゴロ寝転んで交流することのできるスペースがあるとよいと思います。

またそうしたこどもさんが以前、「砂場で遊びにくいけれども、砂場に川をつくって水を流す遊び(など)に代わるものがあったらいいな」と話していたのを思い出しました。他には、寝たきりのこどもさんも、箱型やハンモックのブランコであれば乗りやすい、と聞きます。

また、保護者の方で座れない、歩けない等々の症状をもつ方が、こどもさんと思いきり遊べるスペースもあると嬉しいです。

じつは私も、大学生の頃に車いすユーザーになったのですが、車いすやストレッチャーユーザー等々のために設けられた場所も、健康な人も魅力を感じられたり、楽しめたりする空間で、健康であるなしにかかわらず、いろいろな人が自然と寄ってくると、自分自身も、周囲も、よい時間を過ごせることが多かった気がします。例えばご高齢の方、不登校のこどもさんや休職中の方などにとっても過ごしやすい公園も、素敵だなぁ、と想像を膨らませてしまっています。

他にも、日光を避けることが不可欠な難病「色素性乾皮症」のこどもさんとご家族が、いつも夜の時間帯に公園で遊んでおられたのを思い出します。「知らない人がいない方が落ち着いて利用できる」とか、「もっている症状のために成人後も公園を利用できたら」とかいう方のためにも、夜間の時間帯も安全に過ごせてもよいかもしれない気もしました。ちなみに、私のきょうだいは、発達障害の自閉スペクトラム症をもっています。

また私の友人は(障害をもっていた訳ではないのですが)、思春期の頃に迷いや悩みをもった時、「プレイパーク」にでかけてスタッフさんに話をしていたそうで、成人後もずっとスタッフさんと友達同士として交流をつづけているそうです。

プレイパークでは、(障害によるのかもしれませんが)障害をもつ成人前後の年齢の方もひとりで公園を訪れ、スタッフさんと交流しながら過ごしておられ、それを皆が自然に受け入れていたのを覚えています。こころに症状をもつ女性も、にぎやかなパークの中で、静かにベンチでお話するなどして過ごしておられたのも印象的でした。

「みーんなの公園」が完成したら、公園の存在そのものも様々な人に影響を与える気がしています。

写真:笑顔の鈴鹿さん。車いすユーザー

友人に貴プロジェクトを教わったのですが、「みーんなの」という表現が大好きで、こうした公園ができるのが楽しみです。公園の完成まで、そして完成後も、心からの応援をさせていただけると嬉しいです。

写真提供:鈴鹿典子さん