こぼれ話
前のページへ戻る
「ニーズ」の話

 「私たち、『障害のある子もない子も、いっしょに遊べる公園ができるといいな』ということを考えていまして・・・」
 
 いろいろな所で、障害のある子どものお母さん方にインタビューをさせていただく際、このように話を切り出すとたちまち皆さんが「それ、いいですねっ!」と身を乗り出して・・・と、言いたいところですがじつは、そういった状況になることはあまりありません。
 「公園に対する要望って言われても・・・」「ほとんど行くことないし・・・」と、戸惑いながら顔を見合わせられるケースも多いのです。心の中で「実際はそれほどニーズがないのでは?」と不安になる瞬間です。
 
 しかし、海外のUD公園の写真などを見ていただくと、場の雰囲気は大きく変わります。
 「これはすごい! こんな公園があったら絶対みんな行きたがるよ」
 「ここなら兄弟一緒に遊ばせてやれる。今まで、二人ともに我慢をさせてしまって・・・」
 「『公園遊びなんて無理』って最初から親の方があきらめてた。思い込みだったんだね」
 その後、皆さんの間から次々と公園の抱える課題や工夫のアイデアが湧いて出ます。

お母さん方ばかりではありません。
私たちの活動を知った養護学校の卒業生からは、
「じつは子どもの頃、友達と遊べずにつらい思いをしてた」
「今、気づいた。ブランコにこんな工夫があれば、私も一人で乗れていたはずだって」
といった声も寄せられます。

 「利用がない」「要望がない」からといって、必ずしも「ニーズがない」わけではありません。
誰かが我慢したり、あきらめたりしてきただけかもしれないのです。

 インタビューの終わりに、お母さん方からかけられた声です。

「この活動があることを知って嬉しい。もし公園ができたら絶対に子どもを連れて行きます。
 たとえそれが何年後になっても! だってこの子、今まで公園で遊んだことがないんですから。
 頑張って下さい」

前のページへ戻る